分譲案件(土地付き太陽光発電)手残りはどんなもん?

分譲案件(土地付き太陽光発電投資)を購入した場合、実際に手残りはどれくらいになるのか、計算してみました。 

 

大手、分譲サイトに掲載されていたダブル過積載案件(100kW前後)をピックアップしました。掲載内容は以下の通りです。1kWあたりの発電量は参考として追加しました。

物件所在地 三重県津市  
システム容量 103.85 kW
年間想定発電量 119,280 kWh
1kWあたり想定発電量
(ピークカット7%程?)
1,149 kWh/kW/年
売電単価  14 円/kWh (税抜き)
年間想定売電収入 ¥1,669,920 (税抜き)
     
土地代 ¥1,710,000 (税抜き)
連系負担金 ¥410,000 (税抜き)
システム価格
(防草、フェンス込み)
¥15,080,000 (税抜き)
総額 ¥17,200,000 (税抜き)
     
想定表面利回り 9.7%  

 全て込みこみで表面利回りは9.7%とのことです。

最近は10%を切るのが当たり前になってきていますね。

ここで気になったのが、想定発電量です。

パネル103.85kWで割ると、1kWあたりの想定発電量が1,149 kWh/年となりました。

ダブル過積載の割には多い気がしますね。ピークカット率を甘めに計算してそうです(おそらく7%ほど)。

 

 実際に自分でNEDOの日射量を用いて、想定発電量を出してみると、

物件所在地 三重県津市  
システム容量 103.85 kW
年間想定発電量 113,165 kWh
1kWあたり想定発電量
(ピークカット12.3%)
1,090 kWh/kW/年
売電単価  14 円/kWh (税抜き)
年間想定売電収入 ¥1,584,307 (税抜き)
     
土地代 ¥1,710,000 (税抜き)
連系負担金 ¥410,000 (税抜き)
システム価格
(防草、フェンス込み)
¥15,080,000 (税抜き)
総額 ¥17,200,000 (税抜き)
     
想定表面利回り 9.2%  

 1kWあたりの想定発電量は1,090kWhとなりました。ピークカット率は12.3%です。

これは、そこまで厳しいシミュレーションではないと思います。

これで利回りを計算すると、9.2%でした。大分減りましたね。

9%台前半は、さすがにしんどそうです。

 

これで、各年の手残りをシミュレーションしてみました。

まずは1~5年目です。

f:id:NKE:20200902215845p:plain

手残りは、キャッシュフローのところを見てもらうと初年度はプラスになっていますが、2年目以降はマイナスです。 これは償却資産税の影響です。←営業さんは教えてくれないこともあるのでご注意を。

さらに2023年の10月からはインボイス制度が始まり、消費税がもらえなくなる可能性があると懸念されています(ただこれは確定した事実ではなく、今のところは免税事業者でも消費税分は払わられるとのこと)。ただ、もしそうなったらかなり痛いので、今回はそういうリスクを踏まえてシミュレーションしています(表中では便宜上消費税をもらって→そのまま支払うという形にしています)。

 

次は、6~10年目です。

f:id:NKE:20200902215931p:plain

収入は減ることはあっても、増えることはないので、常に10万以上のマイナスです。 

 

次は、11~15年目です。

f:id:NKE:20200902220012p:plain

1~10年目までは信販の自然災害を使うことを前提としてましたが、11年目以降は自分で自然災害保険に入らないといけません。年間数万ほど。 

キャッシュフローはさらにマイナス側にかさんでいきます。年間でマイナス14万以上。

 

ここでやっとボーナス期間の16~20年目です。

f:id:NKE:20200902220119p:plain

 この期間では15年の返済が完了しているので、巻き返しの期間です。

が、パワコンはこのあたりで全交換が必要だと思うので、とりあえず16年目で交換するとして、キャッシュフローはマイナス。

17年目になって、ようやくプラスに転じます。130万/年(税引き前)。

ただ、18年目では減価償却がなくなるので、税金がガッツリかかってきます。

個人なら所得税20%+住民税10%を引くと、90万ほどですね。

20年トータルではもちろんプラスですが、16年間もマイナスが続くのは耐えられないですね。

 

なぜ、こんな厳しい結果になるかというと、想定発電量の算出の仕方ですね。

業者シミュではピークカット率7%程、厳密なシミュでは12.3%でした(こっちの方が一般的な数値)。

たった5%の見込み差が命取りになってしまうのです。

でも経験がある人でないとなかなか見抜くのは厳しいかもですね。

とりあえず、ダブル過積載(100kW付近)はピークカットは10%以上と考えて、発電量を自分で見積もってみて、違和感を感じたら、業者さんに指摘してみて、精度の高い想定発電量を出し直してもらい、当初利回り(ここでは9.7%)が出るように価格を調整してもらうのがベターかと思います。

 

改めて、想定発電量の精度は大事ですね。

 

次回は、キャッシュフローマイナス要因となった償却資産税、消費税に関して、先端設備、消費税還付、簡易課税で、どこまでマシになるかシミュレーションしてみたいと思います。

 

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